国立環境研究所・地球環境研究センターの主任研究員、塩竈秀夫氏はこう指摘する。

「日本の夏の猛暑には、温室効果ガス排出による地球温暖化の影響が含まれます。異常気象は、高気圧が例年より強く張り出すなどの自然本来の現象によって引き起こされます。しかし、例えば、地球温暖化が進んだ現在と50年前で仮に同じ気圧配置になったとすれば、現在のほうがより暑くなるのです」

 温暖化に加え、大都市圏ではコンクリートなど人工構造物や自動車の排熱などが要因で起きる「ヒートアイランド現象」もある。局地的に気温が上昇し、いっそう苛酷な暑さとなる。

 本格的な夏を迎え、熱中症対策に万全を期したい。

 ウェザーニューズはスマートフォンのアプリで、熱中症の危険性を知らせる「熱中症アラーム」を提供中だ。こうした情報をうまく使い、しっかりと備えたい。同社の担当者は以下のような注意点を指摘する。

○水分と塩分をこまめに摂取する。塩飴やスポーツドリンクなどでも補給できる
○屋内での熱中症に注意。睡眠中に室温が知らず知らずのうちに上がっていることもある。特に高齢者は皮膚が暑さを感じにくく、無自覚で熱中症になる。エアコンや扇風機の使用を躊躇(ちゅうちょ)しない
○湿度にも注意。気温が高くなくても、湿度が高いと体の熱を発散できず熱中症になりやすい。こまめな換気と除湿を

 猛暑に打ち勝ち、元気に夏を乗り切りたい。

週刊朝日 2017年7月28日号