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三浦春馬は王子、高橋一生はツンデレ…大河ドラマはもはや“ラブコメ”!?

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(c)カトリーヌあやこ

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 漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は、「おんな城主 直虎」(NHK 日曜20:00~ほか)で主人公・井伊直虎と彼女を取り巻く男たちを考察する。

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 思ったよりも、おかっぱ頭が似合わない。井伊直虎を演じる柴咲コウなんである。女城主というと、もっとクールな男装の麗人的なものを想像してたけど、今のところ「何ゆえじゃーっ!」なんてキャンキャン叫んでばかりいる印象。

 まぁ「江(ごう)~姫たちの戦国~」ほど、時空を超えて歴史的瞬間に立ち会ったりはしないし、「花燃ゆ」みたいに、やたらおにぎりばっかり握っちゃいないけど。一生懸命で前向きで、何かあると突っ走り、周囲から温かく見守られながら成長するヒロイン像。直虎は、むしろ大河ドラマというより、朝ドラの主人公のようだ。

 そして、直虎をめぐる男たち。これがそれぞれ昔の少女マンガ風味でいっぱい。井伊直親(なおちか=三浦春馬)は、ヒロインがずっと心を寄せていた丘の上の王子様タイプ。小野政次(高橋一生)は、陰ながら彼女を守り続けるアンドレ(「ベルサイユのばら」)タイプであり、ツンデレ属性だ。

 さらに盗賊団のかしら・龍雲丸(柳楽優弥)。不良っぽくて、少しムカつくけど、どうしよう、私いつの間にか彼のことが気になる……?てな、少女マンガの大本命タイプ。実際この架空の人物・龍雲丸と直虎のときめきエピソード、数回にわたり丹念に描かれる。

 直虎に雇われ、盗賊団は山から材木を切り出すことに。ウキウキやって来た直虎に、龍雲丸が木の切り方を教える。「いいですか?手はこう」。バックからぴったり密着し、抱きしめるように彼女の手をとる。

「腹の下に力をこめて……、歯が入ったのわかります?」。そしてやおら激しく鋸をピストン。「よいしょー! よいしょー! よいしょー!」。なんだかわからないけど、頭の中がエロ祭りです、先生。

 もしも「真田丸」で、真田信繁(堺雅人)が架空のくノ一と「よいしょー! よいしょー!」するまでを数回にわたってやってたら、年末までに大坂夏の陣、間に合わないわ。

 さらに、せっかく初めての共同作業をした龍雲丸は、井伊家への仕官をあっさり断り退場って、なんのための「よいしょー!」だよ! ときめきラブコメ大河でもいいんだけど、このドラマは圧倒的なじじぃ不足。やっぱり大河の男たちは少女マンガだけじゃ物足りない。後半に向けて、もっとクセのあるじじぃたちを「よいしょー!」してください。

週刊朝日  2017年7月7日号


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