放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、プラネックスコミュニケーションズの「スマカメ」について。

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 以前、当コラムで「パナソニック」のエアーマッサージャー「骨盤おしりリフレ」を取り上げた際、業界には「マツコ売れ」なる言葉があると書いた。

 その後も、マツコ・デラックスさんの看板番組「マツコの知らない世界」(TBS系)からは数々のヒット商品が誕生しているのだが、ここ半年では、これ。「『プラネックス』さんの“スマカメ”“カメラ一発!”シリーズでしょう」とは量販店スタッフの弁だ。

 番組でマツコさんに“家庭用防犯カメラの世界”をプレゼンしたのは、ナレーターの木村武文さん。クルマが趣味で、ガレージの見張りにと取り付けた防犯カメラは、なんと9台!

 なかでも、マツコさんが「そんなに安いの?」と仰天したのが、「スマホの専用アプリでQRコードを読み取れば、女性でも簡単に設置できる」“ネットワークカメラ”「スマカメ」だ。

 実は一昨年度、朝日新聞本紙で「楽屋の流行りモノ」を連載していた際、Amazonの「防犯カメラランキング」で何カ月もトップの売り上げを誇っていた「スマカメ」を取り上げた。

 そのときは、留守がちな「ペット好きの芸能人」の多くが、「家に居る犬やの様子を外からスマホで見られて助かる」と書いた。

 
 確か、その頃は「夜でも鮮明な画像が見られる」という「ナイトビジョン」が新たに出るか出ないかという時期だったと記憶する。が、いまでは、「話せるナイトビジョン」「ムーンライト」「アウトドア」などなど、「カメラ一発!」シリーズと共に、種類が豊富に揃った。

 昨今、犯罪の解決に防犯カメラが役に立ったというニュースを本当によく耳にする。できれば、あってほしくはないが、“ご近所トラブル”の証拠映像を撮るため、防犯カメラを設置した結果、「一部始終が撮れていた」のも、ワイドショーやニュースでよく見かける。

 だが、大掛かりなモノは、それなりにお金もかかるし、たとえば一人暮らしの女性アイドルの場合、「それを取り付けに来てもらうのも、ちょっと……」と躊躇(ためら)ってしまうと聞く。よくわかる。

 そこで、安価で、自分一人でもカンタンに設置できる「スマカメ」「カメラ一発!」シリーズの出番というワケ。

 マツコさんが驚いたように、録音機能が付いていないモノなら1万円以下。「自宅に戻る際、家の前に誰か居ないか、はたまた、部屋の中に侵入者が居ないか確認できるので、本当に安心」とは某女性アイドルの弁。

「パパラッチ対策にもなるとスタッフさんも喜んでいる」そうだ。確かに(笑)。

週刊朝日 2017年6月30日号

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山田美保子

山田美保子

山田美保子(やまだ・みほこ)/1957年生まれ。放送作家。コラムニスト。「踊る!さんま御殿!!」などテレビ番組の構成や雑誌の連載多数。TBS系「サンデー・ジャポン」などのコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務める

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