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将来“稼げる”から? 看護学部人気はなぜ続くのか

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高齢化で看護師のニーズは増えている(※イメージ) (c)朝日新聞社

高齢化で看護師のニーズは増えている(※イメージ) (c)朝日新聞社

 高齢化が進み、各地の大学で看護系学部が毎年のように新設されている。歯学部、薬学部が昨年より志願者を減らしたのに対し、看護系学部は微増で人気が続く。その秘密を探った。

「最初の3年間は札幌市内の病院の病棟看護師として、ほぼ全診療科で働き、3年目に年収が500万円を超えました。この春から東京都内で訪問看護師になり、1日4~5軒、訪問しています。一人の患者さんとじっくり向き合って生活をサポートできることと、夜勤が原則的にないことがいいですね」

 私大の看護系学部を卒業後、看護師4年目となる坂本諒(りょう)さん(25)は、訪問看護師の魅力をこう語る。

「富裕層の中には、自費で24時間、交代制の訪問看護師を頼み、年5千万~6千万円支払う方もいます。20代のうちに起業し、訪問看護ステーションを立ち上げたいと考えています」

 2014年の看護師の平均年収は473万円で、サラリーマンの415万円を上回る。副院長クラスの看護師や訪問看護師には、1千万円を超える人もいるという。なぜ高いのか。

 医療ガバナンス研究所理事長で、『病院は東京から破綻する 医師が「ゼロ」になる日』などの著書がある上昌広医師は説明する。

「看護師不足だからです。医師と同様に看護師の数も西高東低で、東京都の人口10万人あたりの就業看護師数は727人で、埼玉、千葉、神奈川、茨城、愛知に次いで少ない。東京都では、夜勤手当を含め1年目から500万円を超える看護師もいます。看護師が多いとされる九州や四国でも看護師は不足しており、国家資格である看護師は全国どこでも求人があります」

 高収入に加え、高度専門職なことも人気の理由だ。

「今後20年間ぐらいで、約半分の仕事がAI(人工知能)に奪われると予測されています。でも、高度なコミュニケーション能力が必要な看護師はAIに負けません。大学院まで進み、専門知識と教養、確かな技術を身につけ、さまざまな医師とパイプを持てば、富裕層の訪問看護師というニーズが今後あると考えます」


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