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都庁、電通でも悲鳴が…働き方改革の裏で「ジタハラ」が急増中

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週刊朝日#働き方

小池都知事が20時完全退庁にした都庁 (c)朝日新聞社

小池都知事が20時完全退庁にした都庁 (c)朝日新聞社

「ジタハラ」なる言葉をご存じだろうか? 時短ハラスメント、つまり労働時間短縮にまつわるハラスメント(嫌がらせ)を指す新しい造語だ。多くの企業が時短に踏み切る昨今、ジタハラに苦しむ従業員の増加を懸念する声があがっている。なぜ時短が労働者を苦しめるのか?

 2015年12月、電通の新入社員・高橋まつりさん(当時24)が過労自殺した事件を機に、「時短」に踏み切る企業が相次いでいる。渦中の電通は、昨年10月から全館22時消灯を宣言。

 同時期に、東京都庁が小池百合子都知事の鳴り物入りで20時完全退庁を開始したことも記憶に新しい。

「そのころから、長時間労働を是正したいという企業からの相談が急増しました」

 こう言うのは、経営コンサルタントの横山信弘氏(株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長)だ。

「時短の相談は昨年の秋から増え、以前の5倍くらいになっています。長時間労働の問題じたいは何年も前から言われていますが、電通の事件以降、あまりにメディアが騒ぐので、経営陣も動かざるを得なくなったのでしょう」

 横山氏によると、このような状況が「ジタハラ」の増加を招くのだとか。たとえば、企業が「残業禁止」という方針を打ち出せば、管理部門は現場にそれを徹底させようとする。しかし現場では、残業をしなければ仕事が終わらない。仕事が終わらなければ、当然のことながら顧客に迷惑がかかる。にもかかわらず、残業しようとすると、上司や管理部門から「帰れ、帰れ」と責めたてられる──このように時短を強要しプレッシャーを与える行為がジタハラだという。

「今、多くの企業が時短を推進していますが、残念ながら、管理部門は現場の状況をわかっていないことが多い。そのため、仕事が回らなくて現場がパニックに陥るというパターンが増えています。責任感の強い真面目な人ほど、『帰れ、帰れ』と言われることをプレッシャーに感じます。精神的に追い詰められ、うつ病に発展するケースも出てくるでしょう」(横山氏)


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