本誌の取材に対し、TMFはこう回答した。

「NPO法人が立案した事業計画に基づく助成で寄付ではない。EV車は有効性を実証するため贈呈した」

 そして萩原市長は「今井氏から連絡はない。私からTMFに棚田再生活動を(助成するよう)推薦した。昭恵さんとは面識はあるが、口利きをお願いしたことはない」と回答。

 今井氏は「コメントできない」というが、前出の経産省関係者はこう証言。

「夫人は農業、福祉、学校などさまざまな分野で名誉校長や顧問に数えきれないぐらい就いており、“昭恵”案件は森友に限らず、全国の役所で山ほどあります」

 別の霞が関官僚は昭恵夫人への“忖度”は、どこの役所にも存在するという。

「霞が関には『昭恵夫人を囲む会』という官僚のインナーサークルもあり、うちの省は夫人のフェイスブックは常にチェック。うちと関連するものがあれば、秘書役と連絡をとって、情報を上げます。実際、昭恵さんから友人がやっていると言われ、“忖度”して補助金がついた案件はあるんじゃないのか」

 昭恵夫人の知人が以前、本人に「あなたの周りにいる人は、あなたの地位を利用しようと思って近づいている人がほとんど。気をつけたほうがいい」と忠告したことがあったという。

 昭恵夫人はそのとき、「それでもいいの。その人たちが私を利用してきちんとした道に進んでくれれば……」と答えたという。(本誌・村上新太郎、大塚淳史)

週刊朝日 2017年4月14日号から抜粋