指導の意味とはいえ、「表現に問題がある」と前出の阪口弁護士は言う。

「『家庭が劣悪』などは社員の責任ではなく、人格攻撃であって、本人がどう改善すべきかわからない“指導”は指導とは言わない。上場企業であれば、社会に対して説明責任があるのではないか」

 対してコロワイドの広報担当者は「会長を知っている者であれば、ユーモアとして捉えられる言い回し」と語るが、蔵人会長はどんな人柄なのか。

「一般社員にユーモアを交えて声をかけてくださることも多いです。一方で、仕事に関しては自身にも厳しく、プロとしての意識を持ってほしいと、常に向上心を持っておられます」

 ネットメディアなどで報道され、コロワイドには多くの問い合わせがあり、説明に追われているという。社内報にも“プロ意識”が働けば、こんな事態は招かなかったのでは。見通しは甘かった。

週刊朝日 2017年3月24日号