斉藤:意識してないんですけどね。でも、自分でもコメディーの人だと思ってます。それがいちばん楽しいし。

林:女優のお仕事が大好きとおっしゃいましたが、やっぱり新しい台本が届くとワクワクしますか。

斉藤:はい。でも、あんまり読まないんです。最初に1回通して読んだら、あとは車の中に置いておく(笑)。

林:1回読んだら覚えちゃうんですか。

斉藤:まったくです。当日の朝現場に行って、「さてと」って開いて、ああ、きょうはこういうシーンなんだと思って、リハーサルしていくうちに、何となく入ってくる感じです。

林:舞台のときはどうなんですか。

斉藤:稽古場で覚えます。

林:お稽古のとき、台本持っていても平気?

斉藤:7月に舞台(「母と惑星について、および自転する女たちの記録」)をやったんですが、そのときはちょっとピリピリされました。私はひどい母親の役だったんですが、3人の娘(志田未来さん、鈴木杏さん、田畑智子さん)たちは稽古初日からセリフを覚えていて、台本を離してたんです。私はぜんぜんそんなつもりなかったから、一人だけ台本を持っていて。演出家の方は、「なんなんだコイツ」って思ったかもしれません(笑)。稽古場では、私がいちばんダメでしたね。

林:役についてはご自分の中でいろいろ考えて、組み立てたり?

斉藤:台本を一読した時点で漠然としたイメージをつくって、あとは現場で相手の役者さんとやりとりしながら感じたものを優先しています。

林:「真田丸」では内野聖陽さんや近藤正臣さんとのシーンが多かったですが、ああいう個性の強い方々とやり合うのって大変ですか。

斉藤:内野さんも近藤さんも、お芝居をすごく愛してらして、演技することが楽しくてたまらないという感じなんです。リハーサルするうちにいろんなことが変わってきて、セリフのニュアンスが揺れる。おもしろかったですね。

林:一流の俳優さんたちって、そうやってセッションしていくんですね。

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