津田大介「トランプ次期政権を危惧するネット業界」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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津田大介「トランプ次期政権を危惧するネット業界」

連載「ウェブの見方 紙の味方」

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ドナルド・トランプ次期大統領にあるインターネットサービスを行っている団体が危機感を募らせている(※写真はイメージ)

ドナルド・トランプ次期大統領にあるインターネットサービスを行っている団体が危機感を募らせている(※写真はイメージ)

 ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られるジャーナリストでメディア・アクティビストの津田大介氏。ドナルド・トランプ次期大統領にあるインターネットサービスを行っている団体が危機感を募らせているという。

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 トランプ大統領の誕生はネット業界に大きな不安と影響をもたらしている。思いも寄らぬ余波を受けたのは、インターネット上のウェブページを「本」に見立て、1996年から世界中のすべてのウェブページを永続的に保存・提供する米国の非営利団体「インターネット・アーカイブ」だ。同団体は「ウェイバック・マシーン」というウェブページを時系列に沿って遡(さかのぼ)れるサービスを無償で提供。現時点でおよそ3億6千万のウェブサイト、2790億にも及ぶウェブページを保存、週に3億ウェブページのペースでデータを増やしている。

 11月29日、同団体の創立者であるブリュースター・ケール氏がトランプ次期政権に備えて、カナダにデータをバックアップする計画を、同団体のブログで明らかにした。そのブログ記事はこのような書き出しで始まっている。

「図書館の歴史は喪失の歴史である。かのアレクサンドリア図書館が失われたように。われわれ図書館は、地震や政権、組織運営の失敗など、様々な理由で断絶してしまう」

 紀元前300年ごろ建ったアレクサンドリア図書館は、世界中の文献や優秀な学者が集まった古代最大にして最高の学術の殿堂だったが、火災や侵略など中東の苛烈(かれつ)な歴史の中で最終的に建物自体が失われた。ケール氏はその経緯を踏まえ、所蔵データが喪失される脅威に備えて、保存したウェブページのデータをバックアップする必要性を説いているわけだ。だが、なぜ米国ではなくカナダを選んだのか。ブログでは、トランプ次期政権を危惧する、意味深な言葉が続く。


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