林:こういう影響力がある方が「本が好き」と言ってくださるの、本当にうれしいです。ドラマではご本人役で、菅田君と腕相撲をやってましたね。
三宅:菅田さんが手加減してくださったので勝てましたが、やっぱり男の人の力にはかなわないんです。
林:そんなことないでしょう。オリンピックのメダリストなんですから。
三宅:私、握力が26キロぐらいしかないし、腕力も少ないんです。
林:それであの重いバーベルを持ち上げるの?
三宅:腕の力というより、全身を使って持ち上げるんです。とくに下半身のバネや力が重要で、跳躍が高く跳べる選手は、ウエイトリフティングをやっても強いですね。
林:そういうものなんですね。たしかに三宅さん、筋肉モリモリという感じじゃないし。
三宅:でも、脱いだらけっこうしっかりしています(笑)。
林:脱いだらすごいんだ(笑)。
三宅:筋肉が詰まっています。いま練習をお休みしてるので、少し落ちてきましたが。女性はすぐに丸みのある体に戻ってしまうんです。男性は2、3日休んでも瞬発力で上がりますが、女性はそうはいかなくて。
林:どこにいちばん筋肉がつくんですか。
三宅:全身に均等につくのが理想ですが、腕よりも前ももや後ろもも、お尻といった大きい筋肉が発達します。軽量級と重量級では筋肉のつき方も練習の中身も変わるし、すごく奥が深いんです。
林:ウエイトリフティングのことを、「シンプルに見えて、すごく複雑でおもしろい」とおっしゃってますね。
三宅:ほんの1ミリコースがずれただけでも、できなくなったりするんです。感覚が鈍らないよう、繰り返し繰り返し練習することが重要です。
※週刊朝日 2016年12月30日号