津田大介「欧州のヘイトスピーチ議論の波は日本にも」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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津田大介「欧州のヘイトスピーチ議論の波は日本にも」

連載「ウェブの見方 紙の味方」

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週刊朝日#津田大介
フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者は、要請を受け、どう対応するのか (c)朝日新聞社

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者は、要請を受け、どう対応するのか (c)朝日新聞社

 ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られるジャーナリストでメディア・アクティビストの津田大介氏。欧州で始まったネット上のヘイトスピーチに対する規制について論じる。

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 ネット上のヘイトスピーチに対する規制のあり方をどうするか、欧州で議論が活発化している。

 EUの行政執行機関である欧州委員会は12月4日、フェイスブック、ツイッター、マイクロソフト、そしてユーチューブを運営するグーグルの4社に対して、それらのサービス上に投稿されたヘイトスピーチに、より迅速に対処するよう要請した。

 背景には、欧州の、大量の移民や難民の流入に対する反感の高まりがある。たまった反感がソーシャルメディアへのヘイトスピーチ投稿という形で具現化しているのだ。欧州委員会が懸念しているのは、そうしたヘイトスピーチがネット上に蔓延(まんえん)することで、攻撃の対象となって社会から排斥され、疎外感を持った人たちが「イスラム国」(IS)が扇動する過激主義と結びつくことだ。パリ同時多発テロ事件やブリュッセル連続テロ事件を経験した欧州だからこそ、身に迫る危険を回避するため、ヘイトスピーチを野放しにできないという思いがあるのだろう。

 実は欧州委員会は今回の要請に先立って、2016年5月にフェイスブック、ツイッター、マイクロソフト、グーグルの4社とヘイトスピーチに関する合意を交わしている。合意には「24時間以内に削除または遮断すること」「削除にあたって反差別などで活動する市民団体と協力すること」「カウンターナラティブ(ヘイトスピーチに対抗する言説)を促進すること」といった項目が含まれていた。ただし、この合意はあくまでも4社に自主的取り組みを促すもので強制力はなかったため、対策の実効性を疑問視する声もあった。


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