来日したゲド・ドハティ氏 「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」12月23日からTOHOシネマズ シャンティほか全国公開。配給ファントム・フィルム
来日したゲド・ドハティ氏 「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」12月23日からTOHOシネマズ シャンティほか全国公開。配給ファントム・フィルム

 ニューヨーク・タイムズによると、ブッシュ政権下、ドローンによる攻撃数は50回、殺害したテロリストは296人、オバマ政権下では506回、3040人と10倍以上になっている。机上で行われる戦争の闇をリアルに描いた映画「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」のプロデューサー、ゲド・ドハティが明かすドローンの最前線とは──。

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 俳優コリン・ファースと一緒に2011年に制作会社を作り、政治問題を扱う映画を作ろうと脚本を探していたところ、ドローン戦争を描いた脚本が持ち込まれ、メッセージ性があり、非常におもしろかった。読んだ時点でドローンが戦場で使われている事実はあまり知られていなかったからね。

 米軍、英国軍、政府関係者に取材し、映画の製作顧問になってもらって正しい情報を得て脚本を練った。映画ではケニアのナイロビに潜み、自爆テロを計画する指名手配中のテロリストらを追う英米軍事作戦が描かれている。主人公の女性大佐はロンドン郊外から作戦を指揮し、その指令を受け、ドローンを実際に飛ばすのは米軍のネバダ州のクリーチ空軍基地。操縦士は基地内のコックピットから遠隔操作する。現場の映像がハワイ基地の画像解析班によって瞬時に送信される中、テロリストへドローンによるミサイル攻撃が敢行されるが、殺傷圏内に幼い少女がいたことから、作戦が迷走。軍人、政治家たちの間で論争が起こる。

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