そんなことまであったのに、8月下旬にクラブ史上ワーストの17試合連続勝ちなしという不名誉な記録を作るまで小倉氏を解任しなかった。別の役員がかばったと言われるが、「小倉監督も犠牲者」(ベテラン記者)という指摘もある。

 小倉氏をGM職に就かせたのは、カネを使った割に勝てなかった久米社長から編成権を奪う意図があったというのだ。

 小倉氏に代わってアシスタントコーチから新監督となったボスコ・ジュロブスキー氏はブラジルから闘莉王を呼んで残留争いを戦ったが、16位に終わった。

 グランパスは監督も闘莉王も退団させてチームを解体中で、W杯出場経験のある欧州の名監督を3億円で呼ぼうとしているとか。それを闘莉王は「間違った方向」と言っているのだ。

「闘莉王は、1年でJ1に戻りたいなら現有勢力を引き留め、同じメンバーで戦術を熟成させ……というのが現実的だと。確かに、試合数も多く泥臭いJ2は、カネを掛ければ勝てるというリーグじゃない」(前出のスポーツ紙デスク)

 チームには、まだまだカイゼンの余地があるようだ。

週刊朝日 2016年11月25日号