北原みのり「アメリカとサヨナラしたい」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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北原みのり「アメリカとサヨナラしたい」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

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米国大統領選の報道を見て、アメリカ、日本について考える(※イメージ)

米国大統領選の報道を見て、アメリカ、日本について考える(※イメージ)

 作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。北原氏は、米国大統領選の報道を見て、アメリカ、日本について考える。

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 この原稿を書いている最中、クリントン氏の国務長官時代のメール問題が再浮上し、トランプ氏の支持率がクリントン氏のそれを上回ったというニュースが流れた。少し前まで、トランプの女性蔑視発言でヒラリーの勝利はほぼ確実と言われていたというのに……。

 それにしてもトランプ氏を見ていると、アメリカが理想としてきた自由や、アメリカンドリームのたどり着いた先が、こういうオジサンの出現だったのか……と、覚醒させられるような衝撃がある。

 随分前になるが、アメリカで性科学者にインタビューしたことがある。その時、ポルノの表現の自由について「どの程度まで許されるの? 法規制は必要?」と質問した。すると、それまで穏やかな雰囲気だった彼が、急に態度が硬くなり「表現の自由は一切制限されるべきではない。たとえそれが実際の殺人の映像であっても、ピープルには表現する権利がある」と断言したのだった。聞き間違いかと思い、もう一度尋ねた。「本物の殺人でも!?」。彼は、当然だという顔でうなずいた。「権力はいかなる表現も規制してはいけない」と。

 彼の考えがどれほど一般的なものかは分からない。それでもその時、私は初めて、銃で毎年3万人以上が亡くなっているにもかかわらず、個人が武装する権利を手放さない理由や、福祉よりも自由が欲しいと、国民皆保険制度が国を揺るがす問題になる空気に直接触れたように思った。


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