82歳のおばあちゃんがSNSを始めた理由とは?(※イメージ)
82歳のおばあちゃんがSNSを始めた理由とは?(※イメージ)

「一番嫌いなもの、老人の愚痴。甘えの構造」

 辛口な発言の主は、埼玉県在住のミゾイキクコさん(82)だ。ツイッターは若者だけのものと思うなかれ。ミゾイさんは、アカウントを設けた2010年から毎日、何十回も投稿。今、ネット上で「ツイッターおばあちゃん」の愛称で親しまれている。フォロワー数は、実に7万5千人超え。そこらの芸能人より、はるかに多いフォロワー数だ。

「物事は感ずることが大事。感じれば考える」

「若い時に考えない人、年取ればなお考えない」

 自身の経験をもとにした含蓄のあるつぶやきは多くの人々の支持を集め、昨年末に書籍化までされた。ミゾイさんは言う。

「ツイッターのつぶやきは、日常の“茶飲み話”の延長。ツイッターによって、茶の間がぐんと広がった感じです」

 ミゾイさんがツイッターを始めたきっかけは、友人のイベント告知の手助け。費用いらずで効果的な告知法がないかと考え、ツイッターにたどりついた。

「ちょうど、60歳を過ぎた鳩山由紀夫元首相がツイッターを始めたころで、ならば75歳(当時)の私にもできるだろうと(笑)」

 最初は全く反応がなかったが、戦時中の生活ぶりについてつぶやき始めたところ、フォロワーの数がどんどん増え始めた。

「例えば“塩は統制品で貴重なものだった”とか、私たちの世代では当たり前だった昔の状況についてツイートすると、“そんなことがあったなんて知らなかった”と、若い人からの反応がありました」

 つぶやきは、驚きの声とともに拡散され、3カ月たったころには、当初10人にも満たなかったフォロワー数が5千人にまで増加。

「ツイッターって、すごいものだとびっくりしました」

 戦時中の話に加え、ミゾイさんのツイートで特に反応が高い話題が、男女、嫁姑問題だ。ミゾイさんの元には、日々多くの人々から恋愛の悩みや家庭内のトラブルなど、人生相談が持ち込まれる。

 例えば、ある40代主婦から寄せられた「結婚生活がうまくいかない」との悩みには、こう返した。

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