「こち亀は時流に乗ったお話も多かったので、いつか青年誌に移行するのだと思っていました」

 あさりちゃんは78年から小学館の学習雑誌に連載されており、少女漫画界でトップクラスの長さの連載だった。ちょうど100巻で完結。こち亀と同じく大きな“区切り”が決意のきっかけだったと明かす。

「1話完結の日常生活をベースにしたギャグ漫画は、いつでもやめることができる半面、エンドレスでもあります。100巻で終わることを決めていました」

“永遠の小学4年生”だったあさりちゃんは、5年生に進級し、最終回を迎えた。

 ところが、それで完全終了とはいかないのが人気者の宿命。読者のラブコールを受けて不定期に掲載されるスタイルで復活。5年生の生活を描く新作『あさりちゃん 5年2組』が7月に発売されたばかりだ。

「政治や国際情勢を、持ち前の論理で語る両さんを見てみたいのは私だけではないはずです」(室山さん)

 終わらないゴルゴ、帰ってきたあさりちゃん。秋本氏は新作に意欲をみせているようだが、そう遠くないうちに「よおっ!」と、寅さんばりにフラリと帰ってくる両さんに会える。そんな気がしてならない。

週刊朝日 2016年9月23日号