相模原殺人 「多くの人は暴力とは無縁」専門家が精神障害者への偏見を懸念 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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相模原殺人 「多くの人は暴力とは無縁」専門家が精神障害者への偏見を懸念

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事件によって偏見が加速してしまわないか(※イメージ)

事件によって偏見が加速してしまわないか(※イメージ)

 衆議院議長に宛てた手紙の内容を見て言えることは、「自分は特別」だという意識が非常に強いこと。自己評価がとても高いということが見受けられます。「安倍晋三様のお耳に伝えて頂ければ」という部分には、自分の考えの正しさを強く確信していて「自分が話すべき相手は国家元首レベルである」という特権者意識が見え隠れしているように思います。

 池田小学校の児童殺傷事件や秋葉原の無差別殺傷事件などの大量殺人事件と共通する点は、やや乱暴な言い方ですが、加害者が「正常ではないが、病気でもない」ということ。専門家を含め、にわかに理解しがたい行動なのです。それだけに、こう対処すべきと指針を打ち出すのが難しい。

 今、とても心配しているのは、精神障害者や薬物依存者に対する偏見が、事件によって加速してしまわないかという点です。実際に、一部の薬物依存症リハビリ施設から「これまで会合に使わせてもらっていた外部施設が、事件を機に借用を断られるようになった」との声も聞きました。それこそ、必死で治療を頑張っている精神障害者や薬物依存者を排除する動きが強まり、彼らの社会復帰が妨げられてしまう事態が起こらないか、非常に心配です。

 今年4月に障害者差別解消法が施行され、やっと少しずつ偏見が解消される方向に進んでいる。今回の事件が、そうした流れを後戻りさせるような影響を及ぼさないことを願うばかりです。

週刊朝日 2016年8月12日号


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