「出馬はいろんな方と相談させてもらっています。安保法制に反対する運動の中で、市民連合と野党との共闘が進んでいますが、幅広い運動の中で要請があれば闘いたい。公用車や高額支出といった、都政に十数年こびりついた悪習と決別しないといけません」

 このほか、名前が挙がる人物について有馬氏はこう言う。

「今回は補欠選挙なので、投票までに1カ月しかないとなると、やはり有名人で、テレビに出ていて、なんとなく人となりがわかる人に投票しやすいと思いますね。橋下徹前大阪市長(46)は政治から撤退した人です。大阪では人気があっても、東京ではなかなか難しい」

 前宮崎県知事の東国原英夫氏(58)については、

「無役の人のほうがすぐに準備ができるという意味では出馬しやすい。ただ、野党であって自民党ではない。自民党は一緒に五輪に臨む人を探している。彼をかつぐことはないでしょうね」

 では、穴候補は誰か。都政関係者はこう明かす。

「自民党都議幹部は、石原伸晃内閣府特命担当大臣(59)を出したがっている。使い勝手がいいから」

 都議会自民党は50議席以上。公明党の23議席と合わせたら過半数になる。「だから、当選した人をうまく取り込んでいけばいいという考え方になります。言うことを聞いてくれる人なら誰でもいいんですよ」

 自民党関係者はこう言い切る。

「都知事選は後出しジャンケンの選挙。最後の最後まで票読みをして、絶対に勝てるとお墨付きのある候補じゃないと出せません。東京五輪もあるから、森喜朗氏らとうまくやってくれる人で、クリーンなイメージで、『政治とカネ』や異性のスキャンダルが起きない人」

週刊朝日  2016年7月1日号より抜粋