いまやプリンス! 故・蜷川幸雄に「ミュージカル馬鹿」と言われた俳優とは?

週刊朝日
 2000年に「エリザベート」でデビューして以来、ミュージカル界のプリンスと呼ばれる井上芳雄さん。作家・林真理子さんとの対談で蜷川幸雄さんとの思い出を語った。

*  *  * 
林:蜷川幸雄さん(5月12日死去)のお芝居にもお出になってましたよね。

井上:藤原竜也君が最初に「ハムレット」(03年)をやったときに、オフィーリアのお兄さんのレアティーズという役で出たんです。まったくできなくて、ひとこと言うたびに蜷川さんに「違う!」って止められて。

林:それはつらいですね。

井上:灰皿こそ飛んでこなかったけど、「そんないい声でしゃべるんじゃねえよ。ミュージカル馬鹿」って言われました。

林:えっ、そんなひどいことを?

井上:他の人にも、「おまえ、なんで生まれてきたんだ」とか、すごいんですよ。もう生きた心地がしないというか。だから稽古場に行くのがいやになっちゃって。これまででいちばんつらい稽古でしたね。何がダメなのかもわからないんだけど、自分で考えてやってみて、とにかく初日を迎えて、何とかやり通しました。

林:蜷川さんのお通夜か告別式、いらっしゃいました?

井上:お通夜に行きました。

林:藤原竜也さんが弔辞で、「ほぼ憎しみでしかないですけど」っておっしゃってましたね。もちろん反語だと思いますけど。

続きを読む

TwitterでAERA dot.をフォロー

@dot_asahi_pubさんをフォロー

FacebookでAERA dot.の記事をチェック