民進党の岡田代表 (c)朝日新聞社
民進党の岡田代表 (c)朝日新聞社

 自民党議員のスキャンダルや失言が目立った通常国会は閉幕し、いよいよ参院選に突入。安倍晋三首相の宿願“憲法改正”に向けた試金石とも言われるが、野党共闘はどうなっているのか。識者に最新情勢を踏まえて当落予測を試みた。

 複数区の注目選挙区を見てみよう。まずは、改選数が5から6に増えた東京選挙区だ。自民党の2人目候補としてうわさされていた乙武洋匡氏が、自身の五股不倫騒動で出馬断念に追い込まれ、“ポスト乙武”探しが迷走している。

「2人目擁立に向けて、元五輪選手の名前が取り沙汰されましたが、いまだ出馬表明はされていない(6月4日現在)。新たに女性候補者の名前も浮上したとの話です」(自民党関係者)

 政治ジャーナリストの角谷浩一氏は、前回170万票を獲得した蓮舫氏を始め、自民の中川雅治氏、公明の竹谷とし子氏、共産の山添拓氏は当選圏内だと分析した上で、こう指摘する。

「15日までの都議会で、自民・公明が、舛添要一都知事を擁護するか攻撃するかによって、投票行動に大きく影響する可能性があります。現在、自公は静観していますが、舛添氏を支援した責任が問われ始めると、参院選にも影響が出るおそれがあります」

 残り2議席の争いは、自民党の2人目とおおさか維新から出馬する元長野県知事の田中康夫氏、元気の松田公太氏、民進の小川敏夫氏が無党派層を争奪する熾烈な争いになりそうだ。

 混戦模様なのが、お隣の神奈川だ。自民は比例区からくら替えした三原じゅん子氏を公認し、党本部主導で旧みんなの党出身の無所属の中西健治氏にも推薦を出した。

「麻生太郎副総理は、中西氏の出馬会見に同席するほど懇意。一方で、神奈川が地元の菅義偉官房長官は、公明公認の三浦信祐氏を自身のパーティーの壇上で支援者に紹介した。麻生vs.菅の代理戦争になりつつあり、与党系で3議席確保できるかは予断を許しません」(前出の自民党関係者)

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