国公立医学部医学科に強い高校の秘密を探った(※イメージ)
国公立医学部医学科に強い高校の秘密を探った(※イメージ)

 全国的に人気が続いている医学部。国公立医学部医学科に強い高校の秘密を探った。

 現役合格率に目を向けよう。

 1位は灘。90人の合格者のうち42人が現役合格だ。東大理IIIでは合格者20人のうち17人、京大医学部も25人のうち13人が現役合格という驚きの数字だ。

 トップ30をみると、北嶺(北海道)、青雲(長崎)、久留米大附設(福岡)、ラ・サール、岡山白陵、愛光(愛媛)、弘学館(佐賀)、西大和学園(奈良)と、寮を持つ高校が多いことに気づく。

 2位の北嶺は、寮に入って東大・国公立大医学部などを目指す「青雲寮コース」を13年度から開始した。中学入学時から高2までは2人部屋で、高3は個室になる。今年の新中1生は、128人中46人が入寮した。

「今年は東京、大阪、名古屋など本州から29人が入学しましたが、毎年、本州からの入学生は、特に医学部志向が強いです。寮には定員があるので、合格者のなかには、寮に入れなかった人もいます」(谷地田穣校長)

 OBの大学生や医師ら19人がチューターとして学習面をサポートし、教諭の夜間講習もある。北海道大大学院の留学生による英会話のレッスンも人気だ。

 現役合格率が3位の青雲は、この10年間、合格者数も毎年トップ20にランクインしている、医学部に強い中高一貫校だ。

「08年のリーマンショック以降、医学科志望者が増えています。生徒本人もですが、保護者の希望も強いですね」(本田善久教頭)

 寮は男子のみで、女子は高校生から1軒20人の下宿に入る。現在、男子は859人中426人が入寮、女子は380人中40人が下宿中だ。東京や大阪、東北出身者もいるという。

 集団生活は、勉強の面にも及んでいる。自習は中1から高1までは集団自習室を使う。

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