田原総一朗「常に顧客目線だった『流通の神様』に何が起きたのか」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

田原総一朗「常に顧客目線だった『流通の神様』に何が起きたのか」

連載「ギロン堂」

このエントリーをはてなブックマークに追加
「流通の神様」も人の親だったということか(※イメージ)

「流通の神様」も人の親だったということか(※イメージ)

 セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO・83歳)が突然の引退を表明し、世間を驚かせた。ジャーナリストの田原総一朗氏は、「流通の神様」も人の親だったと原因を分析する。

*  *  *
 4月7日午前9時半に、東京都千代田区のセブン&アイ・ホールディングスの本社9階会議室で取締役会が始まった。

 セブン―イレブン・ジャパンの井阪隆一社長兼最高執行責任者(COO・58歳)を交代させる人事案をはかるための取締役会であった。実は、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木会長は、2月15日に井阪氏に退任を内示し、いったんは了承を得たのだが、2日後に井阪氏が翻意を伝えると、鈴木会長は3月に取締役候補を選ぶ指名・報酬委員会を設置し、社長交代案を提出。

 そして、伊藤邦雄氏、米村敏朗氏の社外取締役2人に反対されると、彼らの反対を押し切って、社長交代案を取締役会にかけたのである。

 20年以上トップとして君臨し、独裁体制を築いてきた鈴木氏としては、当然、取締役会で賛同を得られると踏んでいたようだ。だが、取締役15人による投票の結果、人事案への賛成は7票、反対6票、白票2票で、賛成が過半に届かず否決された。

 そして、この日、急きょ記者会見に臨んだ鈴木氏は引退を表明した。

 それにしても鈴木氏は、1963年にイトーヨーカ堂の伊藤雅俊氏(現セブン&アイ名誉会長)に請われて入社し、74年にセブン―イレブン1号店をオープンさせてコンビニトップを独走する一大チェーンに育て上げた。いわば「流通の神様」である。私も鈴木氏に何度も取材したことがある。鈴木氏の口癖は「常にお客さま目線で考えよ」であった。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい