どんな質問をしても、当たり障りのない答えに逃げることなく、澄んだ声で自分の思いをはっきりと伝えてくれる。“打てば響く”とはまさにこのこと。会話の最中、聡明さや誠実さ、明るさの奥に、ガッツや情熱がメラメラと顔を出す。

「この仕事って、もちろんやっていて楽しさはありますけど、大変なことも多いんですよ(苦笑)。だから、いつも楽しいことを考えるようにしています。私、やらなきゃいけなくなったら、徹底的にやるほうなので。自分でも、人一倍ハングリー精神とか闘争心があることはわかってて……。負けん気が強いんです(笑)」

“これをやってほしい”という要求に対して、プラス20、30、50とエネルギーを乗せていきたい欲は強いが、そういう前のめりな積極性は、AKB48時代に培われたものだとか。物事とじっくり向き合う時間のない中、短時間で求められていることに的確に対応する能力の高さは、短いインタビューでもはっきりとわかる。

「でも今は、ようやくゆったりとした時間の流れの中に身を置くことを楽しめるようになったんです。以前はすごくせっかちで、無駄が嫌いで。何でも要領よくやろうと必死でした。でも最近は、散歩がすごく好き。近道じゃなく、遠回りとか寄り道とかが楽しい。街をぶらぶら散策しているときが、一番心が落ち着きます」

週刊朝日 2016年4月15日号