リオには、選手や関係者はもちろん、多くの日本人客も観戦に赴く。感染した日本人がウイルスを持ち込めば、一昨年のデング熱どころの騒ぎではない。
今のところジカ熱の特効薬はなく、防蚊が唯一の身を守る手段だ。日本旅行医学会専務理事で、千駄ケ谷インターナショナルクリニックの篠塚規(ただし)院長は「国から正しい蚊よけの情報が出ていない」と憤る。
「検疫所のチラシに『長袖、長ズボンの着用』とあるが、暑い国に行くのに、それはあり得ない」
ウイルスを媒介するネッタイシマカなどを防ぐには「ディート」という成分を30%以上含む蚊よけ剤が必要だという。
「ペルメトリンという防虫剤を塗布した衣類も効果は高い。宿泊先はエアコンなどがあって蚊が入らないホテルを選びたい。蚊が入りそうなところで寝るときは蚊帳を使ってほしい」
※週刊朝日 2016年2月19日号