リオデジャネイロ五輪まであと半年と迫るなか、ブラジルから不穏なニュースが飛び込んできた(※イメージ)
リオデジャネイロ五輪まであと半年と迫るなか、ブラジルから不穏なニュースが飛び込んできた(※イメージ)

 リオデジャネイロ五輪まであと半年と迫るなか、ブラジルから不穏なニュースが飛び込んできた。「ジカ熱」という感染症が猛威を振るっているというのだ。

 ジカ熱は、蚊が媒介するジカウイルスの感染で発症する。主な症状は発熱、発疹、関節痛、筋肉痛などで、なかでも特徴的なのは「レッドアイ(結膜炎)」だ。いずれも症状は軽く、かかっても気づかないことが多いという。潜伏期間は3~12日。

 問題は、頭が極端に小さく、脳の発達などに影響が生じる小頭症の子どもが生まれたり、手足がマヒするギラン・バレー症候群にかかったりする危険性で、WHO(世界保健機関)は小頭症と神経障害の集団発生に関する緊急事態を宣言した。

 ウイルス感染症に詳しい長崎大学熱帯医学研究所所長の森田公一教授は、

「ブラジルではこれまで、年に160人前後の小頭症の子どもが生まれていたが、ジカ熱が流行し始めた昨年は3500人を超えた。小頭症で亡くなった子の脳や母親の羊水からもウイルスが見つかっている」

 と話す。今は「ウイルスと小頭症の関係が強く疑われる」状況で、これから調査が始まる段階だという。

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