「ポストカードは最近あまり売れなくなりました。スマホで日本の風景を撮ってすぐその場で送れる時代ですしね」
骨董品売り場には古い着物や帯、根付、古い商店の看板が並ぶ。なかには木魚なんかも売られている。
「古い物は特にヨーロッパの方がお好きですね」
4万円以上の値札をつける、つぎはぎだらけの布があった。笹川さんは言う。
「布団の上掛けですよ。われわれから見たら、ただの汚い布きれなんですが」
デザインの大きなヒントになるという海外のデザイナーもいるそうだ。古い着物は、壁に飾ったりすることも多いという。
「用途よりも、見た目やデザインにひかれるみたいですね。日本人にない発想で、古い物に新たな息吹を吹き込んでくれるんです」
NIPPONを発信し続ける“テンプルスタイル”である。
(太田サトル)
※週刊朝日 2016年2月19日号