3年前に芸能界に復帰した酒井法子は、昨年は2カ所のみの開催だったが、今年は福島、沖縄など地方も含め計6カ所。価格も前年を7千円ほど上回り、強気の営業に出ている。

 コンサートの数倍も高額なディナーショー。ファンにとっては、あこがれのスターを間近で見ることができるのが最大の魅力だ。

 工藤静香のショーに足繁く通う40代女性はこう話す。

「しぃちゃんは、歌いながら各テーブルを回って握手をしてくれる。舞台と近く、表情や肌質もよく見えるし、歌の迫力も満点です。お土産がつき、その袋が本人の手作りだったことも。フレンチのフルコースが食べられるので、むしろ安いくらいですよ」

 昨年、酒井法子のショーを見た40代女性は言う。

「大流行していた『アナと雪の女王』を歌った。決して上手ではないけれど、努力の跡やありのままの『のりピー』に接して満足できた。会場は満席で、中国や台湾のファンもいました」

 芸能評論家の石川敏男さんは、ファンだけでなく、タレント側のメリットもあるといい、こう解説する。

「数十人や数百人の規模なので、客を集めやすいし、人件費も節約できる。1日2ステージやることもよくあり、手っ取り早く稼げる方法なんです」

 コラムニストの桧山珠美さんによれば、ホテル側の利点も大きいという。

「宿泊プランをつけるなど、ディナーショーに力を入れるホテルは多い。既存の設備で集客が見込め、ホテルの宣伝にもなる」

 ファン、タレント、会場の「三方よし」のビジネスモデル。そのためか、五郎丸に限らず、スポーツ系も広がりを見せている。

 阪神の新監督金本知憲が「衝撃のトークショー~金本監督が語るV奪還への秘策!」と銘打ったランチショーをするほか、元中日投手の山本昌と与田剛の2人によるショーも。

 お金に余裕のある人は、ぜひどうぞ。でも、タックルは禁止だそうです。

週刊朝日  2015年12月4日号