北原みのり「なぜ、座らないのか」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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北原みのり「なぜ、座らないのか」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

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タチションこそ、男の尊厳?(※イメージ)

タチションこそ、男の尊厳?(※イメージ)

 作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。“男の尊厳”であるタチション問題を、「無意味どころか、臭くて汚いだけ」だとバッサリ斬る。

*  *  *
 少し前、NHKの番組でトイレの尿ハネについて特集を組んでいた。その番組によると、男性が排尿時に立ってする場合、大量の尿が、壁や床、そして自分にも飛び散るという。番組では、尿の方向を便器手前や奥や側面など、様々な角度で実験していたが、男性が立ってする限り、確実に尿は壁や床に散るのだった。

 尿にみたてた青い液体がトイレ中にまき散らされる映像があまりにも衝撃的だったので、これを見たらタチションする男性誰しもが、家では座ってしようと考えるのではないかと思った。……が、私は、甘かった。どんなにトイレを汚しても、タチションこそが男の沽券! とばかりにタチションにこだわる男性が、どうやら少なくないらしいのだ。タチションとは、男性にとって何なのだろうか。

 番組中、一組の若い夫婦が登場した。トイレ掃除をする妻は、夫に座ってしてほしい、とお願いする。だが夫は、「絶対いやだ」と断る。それは男の尊厳の最後の砦であり、何より妻に命令されたくない、という思いだ。その男性はまだ幼い息子にもタチションを教えてるのだが、「タチションしながら尿がどのようにどこに飛ぶかなど、思考の訓練になる」と、言っていた。冗談かと思ったが、本気のようだった。

 男の人って凄いな、って思った。全国テレビで堂々と、「俺はタチションする。妻が困っていようが、立ってする」と宣言できるのは、それだけその発言に説得力と、多くの共感があると信じているからだろう。実際、スタジオにいた男性タレントも「どうしても座りたくない」を連発していた。


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