米を捨てブドウを 秋冷えが生んだ山形「ソレイユ・ルバン」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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米を捨てブドウを 秋冷えが生んだ山形「ソレイユ・ルバン」

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 フード&ワインジャーナリストの鹿取(かとり)みゆきさんが、日本ワインを紹介する。今回は山形県鶴岡市の「ソレイユ・ルバン 甲州シュール・リー2014(白)」について。

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 甲州ブドウはその名のとおり、「甲州」と言われた山梨県で、全国の収穫量の9割が栽培される。しかし、山形県庄内平野南部に位置する鶴岡市の西荒屋地区で、約250年も栽培の歴史が続くことを知る人は少ない。ここは、甲州ブドウ栽培北限の地。秋の冷え込みは果実の酸味を豊かにし、保存性を高める。新聞紙を敷いた木箱にとれたブドウを貯蔵し、ひな祭りの季節まで生のまま楽しむ習慣がいまに伝わる。月山(がっさん)ワイン山ぶどう研究所の阿部豊和さんが、山形県で甲州ブドウが広まった背景を語る。

「月山から流れ出る青龍寺川が、氾濫する度に山の砂利を運ぶため、この地域は稲がうまく育たなかった」

 ブドウ作りが農家の生活を支えてきたのだ。阿部さんは、この品種単独でのワイン造りを成功させた人物。手がけた「ソレイユ・ルバン 甲州シュール・リー」は、鮮烈な酸と、それを補って余りある果実味を持ち、甲州ワインの評価を変えた。今も昔も、西荒屋の農家にとって甲州ブドウは財産だ。

(監修・文/鹿取みゆき)

週刊朝日 2015年8月21日号


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