田原総一朗「国民に説明できない安保法制は日本の『主体的戦略』なのか」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「国民に説明できない安保法制は日本の『主体的戦略』なのか」

連載「ギロン堂」

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 ジャーナリストの田原総一朗氏は、安全保障関連法案が日本の主体的な戦略であってほしいと訴える。

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 6月4日の衆院憲法審査会に参考人として出席した憲法学者3人が、全員、集団的自衛権の行使を可能にする安保関連法案を「憲法違反」だと批判した。特に、自民党が推薦した長谷部恭男氏が「憲法違反」と言い切ったことが、潮目を変える大きなきっかけとなった。

 集団的自衛権の行使が憲法に抵触するとは、安倍晋三首相をはじめ、政府のまともな判断力の持ち主なら百も承知していたはずだ。歴代政権下の内閣法制局は、日本は主権国家として集団的自衛権は有しているが、現憲法下では行使は許されない、としていたからである。

 だから安倍首相は当初、憲法を改正しようと図った。だが、現憲法では改正の発議をするのに衆参両院でそれぞれ3分の2以上の賛成が必要だ。それが困難だと判断した安倍首相は、憲法96条を変更し、過半数が賛成すれば発議ができるよう図ろうとした。しかし、これには「裏口入学だ」と批判が強まり、安倍首相はやむなく内閣法制局長官を代えて憲法解釈を変更することで、集団的自衛権の行使容認に踏み切ることにしたのである。

 私は、安全保障環境の変化に合わせて法制を検討し、場合によっては変更することに反対ではない。そして、中国が異常なまでに軍事力を強化させ、例えば南シナ海で岩礁を軍事拠点化し、周辺国との緊張が高まっていることには強い不安を覚えている。これまで強大な軍事力で地域を管理していた米国の力の低下によって、このような現象が生じていることも承知している。そのため、米国から日本の役割が要請されているであろうことも理解はできる。


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