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底なし沼化した筧千佐子被告の連続殺人 新たに4人の内縁の夫の不審死が判明

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週刊朝日

 本誌が昨春、スクープした関西を舞台にした毒物殺人事件は、底なし沼の様相となってきた。大阪地検堺支部は3年前、大阪に住む内縁の夫に青酸化合物を飲ませ殺害したとして、筧(かけひ)千佐子容疑者(68)を2月18日、起訴。内縁の夫・本田正徳さん(当時71)は千佐子被告と喫茶店で会った後、ミニバイクを運転中に突発性の心停止で死亡した。

 昨年11月に逮捕された、夫の勇夫さん(当時75)の殺害事件でもすでに起訴されているほか、取り調べの中で、千佐子被告は、周囲で不審死を遂げた複数の内縁の夫らについても話をしているという。

 そんな中、本誌はこれまで明らかになっていなかった4人の高齢男性の存在をキャッチした。

 千佐子被告の周囲で不審死が相次ぎながらも立件されなかったのは、証拠の壁があったからだ。

 解剖などが実施されず、遺体は荼毘(だび)に付され証拠が残っていなかった。

 だが、兵庫県在住のAさんは、倒れてから亡くなるまで1年半ほど入院していたため、「第3の犯行」として捜査本部から注目を集めている。

 ボイラー技士で神戸市北区に住んでいたAさんは早くに妻と死別。知人の証言。

「70歳を過ぎてもとても元気で、結婚相談所に登録。お見合いやデートを趣味のように繰り返していた」

 その中で千佐子被告と知り合ったようだ。Aさんは株が趣味で、多額の資産を有していた。逮捕前、千佐子被告は本誌にこう得意げに話していた。

「銀行に勤めていたから株は得意。株や投資のことは何でも聞いて」

 株という共通点もあり交際が始まったが、2007年12月、神戸市の繁華街でAさんは突然倒れ、救急車で病院に搬送された。Aさんの友人はこう言う。

「病院へお見舞いに行くと、元気なころのAさんとは別人。意識も混濁、ボケているようで、回復の見込みも薄いと聞きました」

 Aさんは何度も転院したが症状は回復せず、09年に死亡した。

「Aさんは多額の資産があったようで、借用書もなしに1500万円も貸すような人。今回の疑惑を聞いて、千佐子被告に狙われたのではないか……。Aさんは健康には人一倍、気を使い、倒れるまで元気でしたから」(前出の友人)

 もう一人の存在は、兵庫県の淡路島で酪農を営んでいたBさんだ。02年ごろに千佐子被告は内妻となったという。その2年後の11月に死亡した。

「牛の世話をしている最中に倒れて死亡した。Bさんは資産家で、山だけでも六つ、現金もかなり保有。Bさん死亡後、千佐子被告は『財産の半分をもらう約束』と言い張ったがあまりに多すぎると遺族が反論。現金4千万円で折り合ったらしい。相続するとすぐに淡路島から出ていった」(Bさんの親族)

 昨年11月の逮捕時には、周辺で亡くなった人は8人だったが、大阪でも新たに2人が不審死していたことが判明。

「千佐子被告は、青酸化合物の入手経路は、最初の夫とやっていたプリント工場の出入り業者からもらったと供述。被害者の話となると、多すぎて誰の説明をしているのか自分でもわからなくなるようだ。今後、まだ判明していない内縁関係の被害者が続々と出る可能性は十分だ」(捜査関係者)

(今西憲之)

週刊朝日 2015年3月6日号より抜粋


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