野村萬斎「いつの間にか若手じゃなくなっていた」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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野村萬斎「いつの間にか若手じゃなくなっていた」

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 ピンと伸びた背筋、カメラを睨む強いまなざし――。その美しさに、見ているほうも背筋を伸ばしてしまう。「個性派」という言葉ではとても足りない。野村萬斎さんの特異で圧倒的な存在感は、狂言の「型」と萬斎さん自身の個性が相まって生まれるのだろう。現代劇では怖いくらいに「異形の人」がよく似合う。

 舞台「藪原検校(やぶはらけんぎょう)」で挑むのは、盲目で生まれ、殺しを繰り返す悪党、杉の市。2012年の初演時、演出家の栗山民也氏が「今、藪原検校を演じるのはこの人しかいない」と語り、萬斎さん自身も「狂言師であることがこれほど生かせる役はない」と応えたハマり役だ。

「杉の市は、それが当然のごとくに悪事を重ねていく。根底にあるのは生きるための根源的な欲求。それを理屈ではなく、痛快に表現できたら」

 現在48歳。「いつの間にか若手じゃなくなっていた」と笑う。かつて自身の中で交わることのなかった現代劇と狂言は、いまは「クモの巣状につながっている」。

 非凡な個性と伝統に裏打ちされた芸から、新たな演技が生まれる。

週刊朝日  2015年2月20日号


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