楽勝ムードの自民に待つ3つの落とし穴 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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楽勝ムードの自民に待つ3つの落とし穴

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安倍晋三首相 (c)朝日新聞社 

安倍晋三首相 (c)朝日新聞社 

 野党の不意を突く「自分のため解散」で、選挙戦を優位に進める安倍自民党。勝敗ラインを与党で過半数(238議席)と低すぎるハードルを設定し、「そんなに総理の座にしがみつきたいのか」と批判を浴びた首相だが、党本部のムードはいたって明るい。自民党関係者が言う。

「野党の選挙協力が進んでいないのが大きい。競合している選挙区が約50もある。共産党以外の野党候補がいない、事実上“不戦勝”のところが約40に上ることも、楽勝ムードに拍車をかけています」

 自民候補の中には、解散後も地元に帰らず、来年1月の政治資金パーティーのチケット販売に精を出す人もいるほどだ。だが、意外な落とし穴はいくつも待ち受けている。

 一つ目は「無党派層」の離反だ。自民党の若手候補者は明かす。

「ここ1週間、有権者の不満が高まっているのを感じます。以前は『なぜ解散するんだ』という批判、今は『首相に謙虚さがない』という苦情です。『経済は良くなっていない』というのもあった。無党派層がどんどん野党に流れているのではないかと心配です」

 安倍首相は報道陣が取材する党会合でも、民主党批判をたびたび繰り返す。円安による物価高騰に苦しむ国民もいる中、「アベノミクスは成功している」と断言することも多い。出演した報道番組で、有権者の「景気が良くなったとは思わない」との意見に、逆ギレしたこともあった。

 政治評論家の浅川博忠氏は指摘する。

「自民党支持率は各紙とも40%前後と高いですが、解散すべきではなかったという批判は約7割に上り、読売新聞や産経新聞の調査ですらアベノミクスへの評価が低い。首相が謙虚な姿勢を失ったままだと、有権者の半数を占める無党派層が、さらに離れていくでしょう」

 二つ目の不安材料は連立相手の公明党だ。公明は自民候補約280人のうち、約200人に推薦を出した。自民党側は1選挙区あたり2万~2万5千票の“上積み”を期待するが、公明党関係者は「一律ではない」と言う。

「何回も当選し、うちの党と付き合いの深い人には多くの票が出る。だが自民の1年生とはほとんど付き合いがない。支持母体・創価学会も熱が入らず、1万票台にとどまるところも多いのでは」(公明党関係者)

 自民候補のうち、約120人が1年生だ。当選から約2年での解散で、地元への浸透も浅い。公明票が期待どおりでなければ、大量落選のおそれもある。半分が落選したとなれば、自民の単独過半数も黄信号だ。

 冬の選挙戦で、首相自身の健康も不安材料だ。首相は完治が難しい「潰瘍性大腸炎」の持病を抱える。薬でコントロールできるというが、今年8月には9日間で4回歯医者に通った。長時間の国会審議で席を頻繁に離れたこともある。

 あるベテランジャーナリストは言う。

「今回、解散から投票まで24日間と短いですが、短期間でないと首相の体がもたない、日程をタイトにしろと指示した話も聞いた。冬場の地方を遊説して回るのは健康な人でも大変。疲労は相当だと思います」

 落とし穴にはまらず、安倍自民は笑顔で投票日を迎えることができるのか。

週刊朝日 2014年12月12日号より抜粋


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