ロックンローラー・内田裕也氏が作家の林真理子氏との対談で、HKT48の指原莉乃さんについて、こう語る。

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林:内田さん、今度、29年ぶりにシングル(「シェキナベイベー」)をお出しになったんですね。なんと、あの指原莉乃さんとの共演で、年の差が53歳。

内田:クレージーなことをやるのもロックンローラーだと思ってるんで、あえて21歳の若い指原莉乃を指名したんです。

林:どうして指原さんだったんですか。

内田:2年前に出演したバラエティー番組が、CDの売り上げ対決で負けたほうが俺に説教をうけるという、なんかよくわかんない設定で。それで若い子が突然入ってきて、俺の目の前でカラオケを歌いだしたんですよ。

林:それが指原さんだったんですね。

内田:この子おもしろいなと思って。今回レコーディングの話があったとき、「だったら俺はあの子とやりたい」と言ったんです。それで近田春夫が動いてくれて、秋元(康)さんとやることになったんです。

林:秋元さんが作詞をされたんですね。それにしても指原さん、あんなに歌がうまいとは思いませんでしたよ。

内田:そうそう、俺さ、「ウワァーッ!」ってすげえ声出して歌うやつがうまいとは思わないんだよね。大事なのは自分の個性をどう表現するかで、指原はいまどきの21歳の女の子という感じがしますよね。

林:かわいかったし、臆することなく内田さんに向かっていったあの感じが、いい意味でふてぶてしくてすごくよかったですよ。

内田:途中で会話があるでしょう。「悲しいことがあったら、シェキナベイベーだよ」「あたしも、これからつらいことがあったら、言うよ、シェキナベイベーって……」「俺は、ずっと、シェキナベイベーだ」「OK! ……あのさ、“シェキナベイベー”って何?」。こういう間もメチャクチャうまくてね。

林:うまいです。

内田:想像以上だった。俺もけっこう本気出したんです、実は。

林:ジャケットやプロモーションビデオ(PV)に使われているサイドカーも、カッコよかったですよ。

内田:俺が運転するとばっかり思ってたら、秋元さんが「指原に運転させてください」と言ってね。秋元さん、頭いいなと思いましたね。

週刊朝日  2014年7月18日号より抜粋