日本のカワイイ文化を牽引する、きゃりーぱみゅぱみゅ (c)朝日新聞社 @@写禁
日本のカワイイ文化を牽引する、きゃりーぱみゅぱみゅ (c)朝日新聞社 @@写禁

 安倍政権が成長戦略の起爆剤と位置付けているのがクールジャパン戦略。クールは「イケてる」といった意味で、経済産業省を中心に日本の誇るアニメや音楽などのコンテンツを海外に発信するものだ。すでに約400億円規模の官民ファンド「クールジャパン機構」を発足させるなど、政府の鼻息も荒い。

 その中心を担っているのが、女性歌手「きゃりーぱみゅぱみゅ」。弱冠21歳ながら、フランスやアメリカなどの海外ツアーを成功させ、最近では政府のイベントにも引っ張りだこ。来年開催されるミラノ万博の日本館サポーターにも就任するなど、きゃりーはまさにクールジャパンの象徴的存在となっている。

 そんななか、きゃりーと経産省を巡って、ある騒動が持ち上がった。経産省の女性職員が、きゃりーのアメリカツアーに参加したことが問題となり、退職したというのだ。

 経産省関係者がコトのいきさつをこう話す。

「きゃりーぱみゅぱみゅのブログを見ていた職員が、偶然、その女性職員を発見したのです。ブログにアップされたアメリカツアーの写真に、バックダンサーとしてバッチリと彼女が写っていました。けれど当時、彼女は病気休職中で、省内で問題になりました」

 当該の女性職員は20代後半。高校卒業後に入省した、いわゆるノンキャリア組で、大臣官房の某企画室で働いていたという。

 同省秘書課は本誌の取材に対して、

「内部通報があり、病気休職中に不適切な活動をしていた職員がいたことが発覚しました。厳重注意をしたところ、本人が退職を申し出ました」

 と回答。きゃりーとの関係や女性職員の具体的な活動内容までは「把握していない」とのことだった。

 また、きゃりーの事務所は「そんな事実は把握していない」と回答した。

 昨年もキャリア官僚の後藤久典氏がブログに「復興は不要」などと暴言を書き込み、炎上騒ぎがあったばかりの経産省。勢いに乗るクールジャパン戦略に水を差すようなイケてない行為だけは、やめてもらいたいものだ。

週刊朝日  2014年5月23日号