13日、米国で行われたゴルフの祭典・マスターズが終了した。プロゴルファーの丸山茂樹氏は、優勝争いを演じたジョーダン・スピース(米)のスタイルにこう評価する。

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 この連載も50回目となりました。第1回で宣言したんですけど、変わらず「世界一明るく、愉快で、役立つコラム」を目指していきますよ。

 いやあ、タイガー・ウッズ不在のマスターズ(4月10~13日、米ジョージア州オーガスタ・ナショナル)でしたけど、しっかり盛り上がりましたね。さすがは「ゴルフの祭典」!

 2年ぶり2度目の優勝を果たしたバッバ・ワトソン(35)=米=は、もちろん素晴らしい。2度目の制覇は史上17人目ですって。レジェンドの仲間入りを果たしたと言えるでしょう。

 でも、ここでは史上最年少優勝を狙った20歳、ジョーダン・スピースの健闘を讃えようじゃありませんか。

 首位タイで最終日を迎えたスピースは、出だしから走りました。パー5の2番ホールでバーディーをとって単独首位に立ち、4番パー3ではバンカーからのチップインバーディー。6、7番の連続バーディーで後続に2打差をつけました。

 しかし、続く8番パー5が痛恨でした。ティーショットは安全にいったんですが、セカンドを右にふかしてしまって、3パットのボギー。バッバはバーディーで、並ばれました。

 あそこが若さですかね。バッバは飛ばし屋ですから、パー5がもう、パー5じゃないんです。だから、バッバはパー5はすべてバーディーをとってくるものだと思っておかないと。あそこは確実にバーディーをとらなきゃいけなかった。そういう意味では、例えばタイガー・ウッズはあそこで絶対にミスはしない。勝負の勘どころですから。

 そのあとはもう、バッバのペースにのまれてしまいました。これはもう、マスターズの優勝経験があるバッバの強みですよね。

 今回は残念でしたけど、スピースはアマチュア時代からエリート街道を歩んできた男ですから、今後もかなり期待できますよね。

 僕は彼のスイングが好きなんです。最近の若手には珍しく、スタイリッシュではない。ちょっとクセがあるんです。バックスイングで左手の甲が上を向く。フォロースルーにかけて、左ひじが抜け気味になる。でも、この不器用さが功を奏してる気がするんです。

 同じことを延々繰り返せるタイプなんでしょうね。昔で言うなら杉原輝雄さんの「五角形スイング」。カッコよくはないけど、ずっとそれを繰り返すことのできる選手って、僕はすごくうらやましいんです。ああいうふうになりたかった。

 松山英樹にとっては3度目のマスターズでしたが、初めて予選落ちに終わりました。初日がフェアウエーキープ率100%ながら、39パットと苦しんで8オーバー。2日目は1アンダーでまとめましたけどね。

 英樹自身は「影響ありません」とコメントしてましたけど、僕は直前の4週間、試合に出なかったのが影響してると思うんです。

 彼の場合、試合勘の狂いがどこに出るかと言ったら、グリーン周りなんです。彼のショットはもう確立されつつあるので、そこには影響が出にくい。でもアプローチとパットには、課題を抱えてますからね。

 まだ22歳ですし、いろんなことを体で感じていってくれたらいいですね。

週刊朝日  2014年5月2日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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