いったい、昨年末の勢いはどこにいってしまったのか。日経平均株価は1月24日、1カ月ぶりに1万5300円台に沈んでしまった。こんなときだからこそ、「仕込んだ」銘柄があるという株式投資のプロ5人が座談会を開き、絶対匿名を条件にとっておきの「お宝」を語ってもらった。(以下、C:国内大手通信社の経済記者、D:米系証券会社で投資戦略チーム所属のアメリカ人)

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D:まず、ぼくは『創通』を推したい。アニメ番組の企画.制作会社で、アニメ「ガンダム」が収益の柱です。

C:渋い会社を知っていますね。

D:ガンダムなどの携帯電話向けコンテンツを手がけており、権利ビジネスでうまく稼いでいますよ。今年は目立った新しいコンテンツやゲームなどはないんだけど、キャッシュをたくさん持っていて、大株主のバンダイナムコホールディングスによる買収の観測も出そう。

C:ガンダムは欧米でも人気があるそうですね。

D:ほかには、工場向けにガス検知器や警報器をつくっている『理研計器』もいい銘柄です。日本のトップメーカーだけど、これまで円高で苦労してきた。円安になって競争力が上がったものの、株価は激安のまま。この前、アメリカの有名ヘッジファンドが買ったという話を聞きましたよ。あと、消臭剤をはじめ日用品をつくっている『小林製薬』にも注目しています。「あったらいいなをカタチにする」という会社のキャッチフレーズどおり、製品開発でいろんなチャレンジをしている。日本の会社には、こういうスピリットがあんまりないからね。

週刊朝日 2014年2月7日号