プロゴルファーの丸山茂樹氏が、2014年日本ゴルフ界の展望と自身の今季について語った。

*  *  *

「週刊朝日」読者のみなさん、あけましておめでとうございます! 午(うま)年です。元気よく駆け抜ける一年にしようじゃありませんか。

 今年期待する日本の男子選手を挙げてみましょう。

 海外組の石川遼(22)、松山英樹(21)にはもちろん、バンバン優勝争いをしてほしい。二人とも、米PGAツアー初優勝の日がそこまで近づいてると思いますよ。

 国内組では中堅に元気がないんですよね。これが一番の問題なんです。だから星野英正(36)、矢野東(36)、近藤共弘(36)に昨シーズン最終戦で初優勝した宮里優作(33)も含めた面々に奮起してもらわないと。いまは小田孔明(35)と谷原秀人(35)が走ってますけど、そうじゃなくて、中堅の選手たちが切磋琢磨(せっさたくま)して、相乗効果で日本ツアーを盛り上げてもらいたい。脂っこい30代の彼らが一番大事なところなんですから。

 ベテランはベテランで、僕と同い年の藤田寛之(44)、片山晋呉(40)たちに、意地を見せるようなゴルフをしてもらいたいですよね。

 今シーズンの国内男子ツアーで、国内試合は史上最少の22試合になります。さまざまな理由はあれど、女子ツアーの試合数は増えてますからね。これはまず競技が3日間で、賞金も安いというのがある。

 それからプロアマの充実ですね。参加する企業の幹部の方に聞くと、「男子は怖そうで質問もしにくい。その点、女子は話しやすい」とおっしゃる。男子も話してみると、気のいい優しいヤツばっかりなんですけどね。女子は、樋口久子さんが日本女子プロゴルフ協会の会長(現在は相談役)に就いてから、もてなしに関していろんなルールをつくって、選手たちがそれを守ってる。こういうのは男子も見習わないといけないですよね。

 ただ僕が一つ言いたいのは、「本物とはなんぞや」ということなんです。女子は300ヤード飛びませんから、絶対に。本物を求める気持ちを持っていただけたら、男子ツアーがもっと盛り上がるんですけどね。まあ、そのためには魅力的な選手たちが必要ですけどね。

 50人ぐらい一気に大型プレーヤーを育てられないですかねえ。プロ野球選手には身長180センチを超える選手がゴロゴロいるのに、プロゴルファーでそういうのが何人いるの、と。スケールのデカい選手を育てたいですよね。軽く振っただけで320ヤード飛んじゃう、みたいな。すげえじゃん、という選手をね。

 そういう素材を発掘して、マンツーマンで徹底的に育てたいという思いはあります。一人ひとりに注ぐ熱量が多くないと、一流には育たないと思うんです。僕もおやじとマンツーマンでやってきましたから。何げなく投げかけた質問にも、ちゃんと答えを返してくれましたから。そういう一つひとつが、いまでも役に立ってると思いますもんね。

 僕の2014年は、相変わらずケガとの闘いになると思います。昨季同様、主催者推薦で出られる5、6試合に出ることになるでしょう。もっと出たい気持ちもありますけど、一方で「この体でやってもなあ」というのもある。あとは解説やこの連載など、メディアのお仕事もマルチにやりながら、ケガを治せる何かを見つけられたら、と思いますね。

週刊朝日 2014年1月17日号

著者プロフィールを見る
丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

丸山茂樹の記事一覧はこちら