受験勉強はいくらやっても安心できないもの。センター試験はあと1カ月と迫り、何をやるべきなのかと焦る受験生も多い。得点アップが望めるこの時期の勉強法を河合塾の物理講師・浜島清利氏が教えてくれた。

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 物理は現役・浪人の学力差が最も大きい科目です。例えば今の時期、現役生はセンター試験の過去問を解いている段階でしょう。一方の浪人生は解き終わって対策問題に移っています。

 物理の成績は勉強時間に比例して伸びるものではありません。まるで“潜伏期間”のように停滞する時期があり、そこを耐えて勉強を続けると急に解けるようになります。そのため1年の差でも大きな影響を与えてしまうのです。

 さらに物理選択者は2次試験も物理で受験することが多い。ですが、大学入試センター側は生物や化学の平均点とそろえようとします。結果、物理はセンター試験でも問題のレベルが高いのです。これも現役不利の要因でしょう。

 現役生は、まず過去問を解きましょう。分量は5年分。センターは全範囲からまんべんなく出題しますが、それでも強弱が存在します。具体的には(1)運動の法則(2)エネルギー(3)波の干渉(4)直流回路(5)電磁誘導――これらは必須項目です。

 答え合わせよりも解説をじっくりと読んでください。繰り返し解き直すよりも類似の新しい問題を解くべきです。解き方の手順を身につけることができます。

 また、教科書を「とびとび読み」するのもおすすめです。一字一句読んでは逆に駄目です。図、公式といったポイントを流し読みします。たとえば「光の干渉」がありますが、色の順番を見ておくだけでも違います。物理は単元どうしの関連が強いという特徴がありますから、ざっと全範囲を確認しておくのは成績上位者にも役立つでしょう。

 ちなみに過去のセンター試験では頻出だったにもかかわらず、最近は休火山のように出題が行われていないテーマがあります。(1)剛体のつりあい(2)ドップラー効果の二つです。注意する必要があるでしょう。

週刊朝日 2013年12月27日号