センター試験まで残すところあと1カ月。受験生にとってはこの時期をいかに過ごすかがカギとなる。英語の点数を上げるには何をするべきか、駿台予備学校講師の竹岡広信氏はこう語る。

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 この時期に大切なのは、センター型の問題集を解くことではなく、過去問を繰り返し解くことです。「1回やったから、もうやる必要はない」と思っている人がいるかもしれない。しかし、本試験は15人前後の先生によって練られた良問で、答えがスッキリと出ます。何回も繰り返して解くことで、選択肢の作られ方の感覚を覚えることができます。

 昨年のセンター英語では、第3問に突然地図が出ましたが、形式が変わったからといってビビる必要はない。形式が変わっても、選択肢の作り方のポイントは変わっていません。

 英語が苦手なら、第1問で問われるアクセントの原則をしっかり覚えて、確実に得点しましょう。一般に外来語のアクセントは、名詞は前、動詞は後ろです。

 この時期に文法に力を入れたがる人がいますが、第2問Aの穴埋め問題10問のうち、基礎文法に関する問題は3問だけ。残りの5問は単語、2問は熟語の問題です。文法に時間を割くよりも、第3問以降の長文読解でしっかりと得点できるようにしましょう。

 長文問題では、必ずパラグラフごとにメモをとって、全体像をとらえてから解くこと。メモをとる時間がもったいないと思う人がいるかもしれませんが、パラグラフメモをとるほうが解くスピードが速くなるし、英語の力もつきます。センター英語は20万人以上が時間が足りなくなりますから、スピードアップのために、ぜひ直前の勉強でも、本番でもやってみてください。

「センター試験の点数が面白いほどとれる本」シリーズ(中経出版)で、英語の『文法・語句整序』『読解』『発音・アクセント・文強勢・会話・リスニング』の3冊を書きましたが、この時期に1冊やるなら、「読解」がおすすめです。

 リスニング問題では、消去法を覚えることです。だいたい、文法などから明らかにおかしい選択肢が二つ、狡猾な罠が一つ、一見おかしく見える想定外の正解が一つあります。日本語ではあまり使わない表現で言い換えている選択肢が正解というケースが多いです。

週刊朝日  2013年12月27日号