2015年のミラノ万博の日本政府代表を務めていた経済産業省のキャリア官僚が匿名ブログで〈復興は不要だと正論を言わない政治家は死ねばいい〉など暴言を書き込んでいたことがバレて、大騒ぎになった。

 ブログの主は後藤久典氏(51)。東大卒で、1986年に経産省に入省後、防衛省出向を経て、経産省貿易経済協力局の安全保障貿易管理課長などを務めたが、日本貿易振興機構(ジェトロ)の展示事業部博覧会・渉外担当審議役として出向中だった。

 政府は9月25日付で後藤氏の職を解き、停職2カ月の懲戒処分を下した。

「昔、一緒にテニスをしたことがありますが、サッカーが大好きな、地味な感じの人だっただけに、あのブログにはビックリした」(経産省職員)

 匿名ブログは数年前から千件以上、書き込まれ、〈(復興増税は)年金支給年齢をとっくに超えたじじぃとばばぁが、既得権益の漁業権をむさぼるため〉など過激な内容。高齢者に対して〈早く死ねよ〉と書いたり、谷亮子参議院議員の容姿を中傷したり、NHK受信料支
払い拒否を正当化したりとトンデモ発言を連発。それがネットで“炎上”し、仕事の記述などから身元を割り出されたという。

「大病を患って本省の本流から外れ、人が変わったともいわれてます」(経産省関係者)

 経産省は汚染水問題などで職員にメールを一斉送信し、「メディア、OBなどへ情報提供しないように」と箝口令を出していたが、幹部がブログで墓穴を掘るとは皮肉なものだ。

週刊朝日  2013年10月11日号