東京五輪決定 大逆転の立役者 「安倍プレゼン」本当の勝因 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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東京五輪決定 大逆転の立役者 「安倍プレゼン」本当の勝因

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日本国民にもこれぐらい歯切れのいい発言をしてくれればいいのだが…… (c)朝日新聞社 

日本国民にもこれぐらい歯切れのいい発言をしてくれればいいのだが…… (c)朝日新聞社 

 最終プレゼンでの演説が喝采(かっさい)を浴び、評価がうなぎ登りの安倍晋三首相。 対外的には、「汚染水問題」に対する説明が評価されているが、「勝因」はそれだけではない。五輪評論家の伊藤公(いさお)氏が語る。

「演説中に2、3回使っていた『オリンピックムーブメント』という単語が効きましたね。IOC委員はこの言葉に弱いんです」

 オリンピックムーブメントとは、スポーツを通じて相互理解と友好の精神を養い、平和でより良い世界の構築に貢献する活動を意味する。この単語を効果的にちりばめたことが奏功したようだ。

「演説自体は合格点ぎりぎりの60点くらいだけど、戦略的にはよく練られていました」(伊藤氏)

 別の「勝因」を指摘する専門家もいる。ハーバード大学教授のアンドリュー・ゴードン氏は「パフォーマンス」を挙げる。

「力強く、自信のある口調や挙動が見ている人にいい印象を与えた」。少しやりすぎとも思える身ぶり手ぶりは、むしろ好材料だったようだ。

 演説が英語だったことも、プラスに働いた。ときに、日本語の発音は心もとないこともある安倍首相だが、英語の発音は流暢(りゅうちょう)で、日本語よりも聞きやすい。それもそのはず、安倍首相は、学生時代に名門・南カリフォルニア大学への留学経験があり、会社員だった神戸製鋼所時代も一時期ニューヨークで過ごすなど海外経験が豊富なのだ。

 放送プロデューサーのデーブ・スペクターさんも、「猪瀬知事は全然ダメだけど、安倍さんはもともと英語が上手。聞いていてもまったく問題がなかった」と太鼓判を押す。

 7人が登壇した東京の最終プレゼン。前出の伊藤氏は、その組み立て方も絶賛する。「高円宮妃久子さまから始まり、安倍首相に終わった全体の流れがこれ以上ないほど良かった。100点を超えて、120点をつけたいと思います」。

 9日、2020年の東京五輪を手土産にブエノスアイレスから帰国した安倍首相の顔は、長旅の疲れを感じさせないほど満足げだった。

 だが、今後は自らが発言した汚染水対策など「公約」の遂行が求められる。「本当の意味で大変になるのはこれから。言いっぱなしは許されない」(伊藤氏)。

 軽妙な演説で発した言葉は、ずしりと重い。
 
週刊朝日  2013年9月27日号


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