「お名前様」「ご住所様」 こんな日本語はもういらない! 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「お名前様」「ご住所様」 こんな日本語はもういらない!

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堀尾正明さん(左)と内館牧子さん(右) (撮影/写真部・工藤隆太郎)

堀尾正明さん(左)と内館牧子さん(右) (撮影/写真部・工藤隆太郎)

 言葉は社会を映し出す。現代はすぐに揚げ足を取られ、非難され、ネットで叩かれる。それゆえ、過剰にへりくだり、断定を避けるようになった。だが、脚本家の内館牧子氏と元NHKアナウンサーで、フリーキャスターの堀尾正明氏は、「今こそ断言する」必要があると説く。

*  *  *
内館:あいまいさも、日本の面白い精神文化だと思いますが、言うべきところでは、言わないといけない。私がすごく嫌いなのが、「かな」の乱用です。

堀尾:最近多いですね。

内舘:「その旅行はパスしたいかな」とか。自分の意見なんですから、「かな」は不要です。「福島第一原発の事故は、早く収束してほしいかなとは思います」とか。原発事故が収束してほしいのは、当たり前のことでしょう。「かな」も「は」もヘンです。断定すると、きつく聞こえる気がするんでしょうね。

堀尾:そういう言葉はたくさんありますね。「アイスコーヒーいかがですか?」と聞かれて、「あ、大丈夫です」って言う人が多い。

内館:欲しいのか、いらないのか。

堀尾:わからないですよね。否定なのか、肯定なのか。私たちが若いころは、そんな使われ方はしなかった。何でこんなに乱用されるようになったのか不思議でなりません。

内館:今の世の中、断定の言い方をすると、気が強いとか生意気だとか批判されがちです。ネットにも書かれたり。生きにくい世の中になって、誰もが周囲に気を使って、断言できなくなっているのだと思います。

堀尾:そうなんでしょうね。駅の放送などでは「おたばこはご遠慮ください」と言いますよね。公園にも「芝生に入るのはご遠慮ください」と書いてある。

内館:柔らかい表現にしておけば、差し障りがないと思っているのでしょうね。

堀尾 アメリカなら「KEEP OUT」、「入るな」の一言です。「おれは遠慮しないよ」って言えば、たばこを吸ってもいいのか、芝生に入ってもいいのかとなってしまう。実際は「禁止」なのに、日本では「遠慮」と言うわけですよね。

内舘:何にでも「さん」や「様」をつけるのも、配慮でしょうね。「お名前様」や「ご住所様」は当たり前で、私、レストランで「おコート様とおバッグ様のほうをお預かりします」って言われたこともありますよ。

堀尾:そこまでいくとすごい!!

週刊朝日  2013年7月26日号


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