室井佑月、自民の報道拒否に「相手は神じゃない」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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室井佑月、自民の報道拒否に「相手は神じゃない」

連載「しがみつく女」

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 自民党がTBSの報道を拒否するとした騒動を、作家の室井佑月氏は「祟り神(たたりがみ)のようだ」とし、次のように話している。

*  *  *
 自民党がTBSの報道内容が不公平だと、党幹部に対する取材や幹部の番組出演を当面、拒否すると発表したのが7月4日。

 6月26日に放送した「NEWS23」という番組内で、6月の通常国会閉会に関して、与野党攻防の末に電気事業法改正案などが廃案となった経緯を報道し、それが自民党にとって「廃案の責任が全て与党側にあると視聴者に誤解させるような内容があった」というのである。

 そして翌日の7月5日、自民党はTBSの説明を受け、それを事実上の謝罪と受け止め、党役員の出演や取材に関して、拒否を解除するとした。

 が、翌6日付の新聞には、TBS側の、謝罪はしていないとのコメントが載った。やるなぁ。このまま意地を貫き通してもらいたい。いいじゃん、この先、べつに党役員の出演や取材ができなくなっても。ほかのメディアから、あちらの言い分なんていくらでも手に入れることができるんだから。脅しに屈してほしくない。この場合、TBS側は一応、説明をしたのだから、「いいですよ、仕方ないですね」。そう答えるのが一番、効くのだと思う。一社がそういう態度に出たら、ほかのメディアも気づくんじゃないか。

 ウィキペディアによると、「崇り神」とは、「荒御霊であり畏怖され忌避されるものであるが、手厚く祀りあげることで強力な守護神となると信仰される神々である。また、恩恵をうけるも災厄がふりかかるも信仰次第とされる」とある。なんか「崇り神」に手を合わせるのと、今の世の中の状況は似ているような気がする。

 力のある恐ろしいものに、人は逆らおうとしない。どうか自分だけは守護してくれ、どうか自分だけには悪さをしないでくれと、頭を下げ従おうとする。だが、似ているというだけで、相手は神なぞじゃない。だから、理不尽な災いがもたらされたりしたら、「どうしてそんなことするんだよ」といっていい。相手は力のある恐ろしいものだから、こちらもできるだけ力を集めてみんなで発言するしかないと思う。

 参議院選挙公示日、安倍首相が福島市で第一声を行った動画を見た。その中に、演説中、二本松市の女性が自民党職員らに「職務質問」されているものがあった。彼女は、しつこく住所や名前を聞かれていた。

「総理、質問です。原発廃炉に賛成? 反対?」というプラカードを取り上げられた、その後の様子だという。二本松市民がそれを気にしちゃいけないの? 職務質問っていう名の恫喝か。

 もうほんとうに恐ろしい。お暇でしたらネットで、http://www.youtube.com/watch?v=P9XvgJvbj2Uを観て下さい。自由の国アメリカで、自由がなくなりました。自由にしてると国家警察に逮捕されます。日本も近いうちこうなりそう。

週刊朝日 2013年7月26日号


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室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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