
40代後半、東京に本社を置く大手企業の中間管理職の男性。目下の悩みは雨で、自他共に認める「雨男」でもある。
勤務先は、PRや社会貢献活動の一環として、さまざまなイベントを主催する。その担当を任されて以降、イベント当日に雨で泣かされることが増えた。特にスポーツ関連の場合、大会期間中は必ず一日、雨が降る。
最初は、上司から「今度雨だったら、担当を代えるぞ」と冗談めかして言われても、酒場の話題提供ぐらいに考えていた。だが雨天が何回も続き、さすがに落ち込むようになった。昨年、西日本でのイベントは当日、大きなニュースにもなった豪雨に見舞われた。必要以上に夜空が気になる。一番つらいのが、天気予報は「晴れ」「曇り」なのに外れたときだ。
振り返れば、子どものころから雨が多く、社会人になってからも仲間とのゴルフも晴れた記憶がない。
そんなとき、先の上司から「ある神社にお参りすると効くらしいので、交通費は持ってやるから行ってこい」と言われた。新年早々、足を運んだのが日本で唯一、天候にまつわる神社「気象神社」だ。JR高円寺駅から歩いてすぐの氷川神社境内。戦前は隣の駅にあった旧陸軍気象部の構内に造られたが、空襲で焼失し、戦後に再建されたという。
下駄をかたどった絵馬がたくさんぶらさがっていた。「晴天祈願」「雨男返上」「脱・雨女」「晴れ女になりますように」……。自分と同じ悩みを抱えた人の手によるのかと思うと、切実さが胸に迫った。
お参りの効果あってか、今年最初の仲間内でのゴルフは晴れた。「いや、すっかり気分が楽になりましたよ」。
だが油断はできない。社業のイベントはこれから本番を迎える。
このように、あなたの職場でも「雨男・雨女」たちが人知れず悩んでいる、いや、あなた自身も実は「雨男・雨女」ではないのか――。
そんな実態を徹底解明しようと、弊誌は今回、ウェブアンケートを実施した。回答者は男女500人(内訳は男性328人、女性172人)。年代別にみると、30~50代が全体の84.4%を占めている。
まず、「自分の周りに雨男・雨女がいるか」との設問に対して、「はい」と答えた人は30.6%だった。実に、3人に1人にのぼることがわかる。さらに細かくどちらか聞いたところ、「雨男」は47.7%、「雨女」は39.9%、「雨男・雨女の両方」も8.5%いた。
次に、「あなた自身が雨男・雨女か」と聞いたところ、そうだとする回答に「どちらかといえば」を合わせると計16.4%だった。
※週刊朝日 2013年7月12日号