田原:女性役員や女性国会議員を何%以上にしろという、いわゆる「クオータ制」ですね。

野田:韓国で女性大統領が生まれた背景も「クオータ制」なんですよ。韓国では比例名簿の奇数順位は、原則として女性にする法律ができて、女性議員の存在が当たり前になった。そうした土台の上に、初めて女性大統領が出てくるわけですよ。

田原:テレビ番組の討論では、「クオータ制」に否定的な高市早苗政調会長と激しい論争になっていましたね。ケンカ相手の2人を三役に選んだ安倍首相もすごいですね。(笑い)

野田:ケンカしてないですよ!(笑い) 高市さんと仲はいいんですが、政策について議論はします。それをメディアで痴話げんかのように伝えられたのは残念です。高市さんは優秀な方です。優秀な女性たちの多くは、「自分で地位を勝ち取りたい」と取り組んでいます。それもわかるけど、現状は採用の時点で女性が絞られているんです。

田原:企業の採用試験の担当者に聞いても、優秀なのはたいてい女性だと言いますね。採用担当者は、優秀な女性をいかに落として、できない男性をいかに引き上げるかにいちばん苦労しているといいます。

野田:日本ではすでに男性がげたを履かされている。女性が「クオータ制」でげたを履いたら、イコールになっていいと思うのですが。

週刊朝日 2013年5月31日号