「週刊新潮」(2月14日号)が報じた徳田毅・前国土交通兼復興政務官(41)の「女性スキャンダル」は、ロケットスタートに成功した安倍政権にとって大打撃となる、はずだった。

 記事は2004年に、徳田氏が泥酔して抵抗できなくなった未成年女性と強引に性的関係を持ち、「精神的ショックを受けた」と訴えた女性側に慰謝料を1千万円支払ったというものだ。

 今月1日に準強姦(ごうかん)罪で懲役5年の実刑判決(控訴中)を受けた五輪柔道金メダリストの内柴正人被告(34)の事件をほうふつとさせる行状だが、肝心の週刊誌が発売されても、“後追い”するメディアはほとんどなかった。

「もちろん、記者は徳田氏にコメントをとろうとしましたよ。でも、当の本人がすでに辞任していて、本会議にも派閥の会合にも一向に姿を見せない。政府はすでに対応済み。動きがないので報じようがなかったんです」(民放政治部記者)

 今回、官邸の動きは素早かった。掲載誌が発売される2日前の4日、菅義偉官房長官(64)は徳田氏が「一身上の都合」で政務官を辞任することを発表。理由について「相手との関係で明らかにできない」といいつつも、女性問題であることを明らかにしたのだ。実は、この対応の振り付けをしたのは菅官房長官自身だという。

「前日の3日夜に、徳田氏から電話で記事が出ることについて相談を受けた菅さんは、すぐに辞めてもらったほうがいいと判断したそうです。菅さんはたたき上げで寝業師。この手の問題に当たらせたらピカイチなんです」(首相周辺)

 ちなみに、一瞬ではあったが注目を集めた徳田氏は、あの医療法人「徳洲会」理事長で元衆院議員の徳田虎雄氏(74)の次男で、3回生議員ながら11年には献金など約2億5千万円を集め、国会議員トップの資金力を誇る。

週刊朝日 2013年2月22日号