澁澤龍彦の「サド裁判」 妻が明かすその心中 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

澁澤龍彦の「サド裁判」 妻が明かすその心中

このエントリーをはてなブックマークに追加
週刊朝日
澁澤の書斎。膨大な数の著作はこの机から生まれた。乱雑に置かれているように見えて、本の場所はすべて記憶していたという(撮影/馬場岳人)

澁澤の書斎。膨大な数の著作はこの机から生まれた。乱雑に置かれているように見えて、本の場所はすべて記憶していたという(撮影/馬場岳人)

 エロチシズムを探究し、人間の極限を描いた作家・澁澤龍彦。没後25年たっても生き続ける、彼の美学とは。

【週刊朝日に掲載された写真はこちら】

 髑髏(どくろ)の模型、少女人形、貞操帯。愛用のペーパーナイフや海岸で拾ってきた貝殻。それらを取り囲むようにびっしりと並ぶ1万冊以上の蔵書群。1987年にこの世を去った作家・澁澤龍彦は、自らが愛した蒐集(しゅうしゅう)品と珍書・奇書に埋もれながら、亡くなる直前までこの書斎で執筆活動をしていた。

 59年に澁澤が翻訳したマルキ・ド・サドの著作「悪徳の栄え 続」は、文中の性表現が問題となり、澁澤自身もわいせつ文書販売および同所持で起訴された。いわゆる「サド裁判」である。だが、彼はパイプをふかしながら裁判所に遅刻し、無断欠席で公判を休止にしたこともあった。妻の澁澤龍子(りゅうこ)さん(72)は言う。

「彼は、意見を求められるテレビのコメンテーターの仕事も引き受けませんでしたし、本当は政治的発言をまったくしない人なんです。でも、個々人の美意識を国家権力が決めることは許せなかったんでしょうね」

週刊朝日 2013年2月8日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい