原発政策 もっとも「あいまい」な自民が勝った理由 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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原発政策 もっとも「あいまい」な自民が勝った理由

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 自民党の大勝に終わった先の衆議院選挙。その勝因について、ジャーナリストの田原総一朗氏は次のように指摘する。

*  *  *
 自民党を除く11党は、いずれも「原発ゼロ」を大きく掲げ、何年で原発をゼロにするのか、そのスピードを競い合っていた。11月30日深夜に放送された「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日)で各政党の論客に登場してもらったとき、私は「具体的にどうやって原発をゼロにするのか」と問うたが、明快に答えた論客は、文字どおりゼロだった。

 民主党は2012年9月、30年代に原発をゼロにするという「革新的エネルギー・環境戦略」を打ち出し、閣議決定すると豪語しながら、結局それを「参考文書」というあいまいな扱いで終わらせてしまった。しかも青森県の大間原発の建設を認め、さらに使用済み核燃料の再処理の続行まで認めてしまった。

 私はその要因についても各党の論客に問うた。だが、誰もそのいきさつさえ満足に知ってはいないようだった。原発に代わり得る再生可能エネルギーを開発できるのはいつごろになるのかと問うても、納得できる答えは返ってこなかった。

 つまり、原発ゼロを打ち出しているどの政党も、実は実現性に根拠がないということが鮮明になったのである。そして、皮肉なことに原発についてもっともあいまいな姿勢でいた自民党が勝ってしまったのだ。本当は東京電力福島原発の深刻な事故で、国民の多くが原発の危険性について強い不安を抱いているはずである。だが、原発ゼロを主張する政党のあまりのリアリティーのなさ、無責任さに国民の多くはあきれ果ててしまったのだろう。

 自民党が大勝した要因は、国民がリアリティーのない理想論にあきれて、もっとも現実主義的な自民党を選んだということだろう。

週刊朝日 2013年1月4・11日号


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