イスラム禁酒区域でガイドに酒を頼んだ日本人客 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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イスラム禁酒区域でガイドに酒を頼んだ日本人客

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週刊朝日

 中国・万里の長城で日本人観光客3人が死亡した事故をきっかけに、中高年の「秘境ツアー」がブームに注目が集まっている。海外、特に秘境と呼ばれる地域は宗教や部族の暗黙のルールがあることも多い。“郷に入れば郷に従え”は鉄則である。それを破ると地元の人たちの尊厳を踏みにじり、大きなトラブルを招いてしまう。

 さいたま市に住む60代の元自営業男性Kさんも昨夏、夫婦で参加したトルコツアーでそんなトラブルを経験した。イスタンブールにある観光名所のモスクを訪ねたときのことだ。

 イスラム教の宗教施設では、夏場でも肌の露出は極力控えるというのは、旅慣れた人たちの間では常識だろう。当然、Kさん夫妻や同じツアーの同行客も、長袖のカーディガンや長ズボンで配慮は怠らなかった。

 ところが。「欧米人だと思うんですが、若い男女のグループが短パン姿でやってきて、われわれのそばで写真を撮り始めたんです。すると礼拝に訪れていたイスラム教徒が激怒し、ものすごい形相で何かを叫びながら近づいてきた。『僕たちは関係ない、関係ないから』と、心の中で必死に叫び、わけの分からないジェスチャーをするしかありませんでした」。

 別のツアーのガイドらしき人物が、男女のグループをしかって立ち去らせたため、トラブルは回避できた。しかし、Kさんの妻はあまりの恐怖で過呼吸になってしまったという。

「自分がルールを守っていても、別の観光客がルールを破れば、みんなが巻き添えを食ってしまう。一歩間違えば私たちも無事ではすまなかったかもしれません」(Kさん)

 巻き添えは避けようがないが、ある旅行会社の社員によれば、「見つかれば大問題なのに、アルジェリアのイスラムの禁酒地域で、何も知らずにガイドに酒の調達を頼もうとした日本人客がいた」といった事例もある。自戒したい。

週刊朝日 2012年11月23日号


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